人の感情について学ぶ~【マインド・コントロール】書評

顧客の感情を理解することは、ビジネスにおいて絶対に必要であることを、僕は神田昌典著の多くの本から教わった。

 

そこで、人の感情を学ぶという目的で、今回岡田尊司著『マインド・コントロール』を読んでみました。

この本は、カルト宗教、テロリスト、ブラック企業などが、意図的に、または無自覚に使用しているマインド・コントロールについて述べられています。

マインド・コントロールに陥りやすい状況や人、それらを現実に起こった出来事を例にしながら、分かりやすくマインド・コントロールについて学ぶことができました。

マインド・コントロールに陥りやすい環境-トンネル-

マインド・コントロールに陥ってしまいやすい環境があり、そのような環境の事を著者は『トンネル』と称しています。

 

このトンネルとは、道路などにある普通のトンネルとは異なります。
トンネルとは、外部との世界が遮断されていて、視野を一点に集中させる、という環境の事を指します。

 

どういった環境かというと、例えば外部との関わり合いがほとんどないような職場であったり、学校、または何らかの集まりであったりします。

 

なぜ、このような環境だとマインド・コントロールに陥りやすいのかというと、外部との関わり合いがないため、その環境が自分の世界の全てであると錯覚する、からだと思います。

 

僕自身の体験ですが、僕は高校を卒業してから、少し前まで公務員として働いていました。
そこは、まさに外部との関りがあまりなく、その組織の判断基準が全てであると、公務員を辞めるまではそう考えていました。

公務員として定年まで勤める以外の選択はない、上司や先輩のいうことは絶対、とか。
それで一時期悩むこともあったのですが、辞めた後は、なぜあんなにも悩んでいたのか自分でも分からない、というのが今の正直な感想です。

 

ただ、本書のトンネルという環境は、まさに僕が以前勤めていた職場に当てはまることだな、と感じるんですよね。
まるで、自分のいる環境の判断基準だけが正しくて、それ以外の考え方は甘えている、とか考えていましたね^^;(多少体育会系の職場だったこともありますが…)

 

でも、一度トンネルの環境から離れてしまうと、以前までの価値観がガラッと変わる、という経験があるからこそ、このトンネルについてはより理解できたのだと思います。

マインド・コントロールに陥りやすい人

トンネル以外でも、このマインド・コントロールに陥りやすい人がいます。

 

どういった特徴があるのかというと、
・警戒心が希薄で
・依存心や救われたい願望が強い
という人です。

 

本書では、これについて、悪徳商法を例にして説明をしていました。
訪問先で手相を無料で占って、それに応じた人をターゲットにして高額な商品を売りつけるというもの。

 

まず最初に手相を占うのは、初対面の人に手相を占ってもらうような人は警戒心が薄い人である可能性が高いから。
逆にこれを断る人は、警戒心が高く、その後の高額商品を売るには適さないと判断できるので、実に合理的にターゲットを見つけ出せるそうです。

 

警戒心が希薄ということは、判断を相手にゆだねるような場合が多く、例えば過保護な親に育てられた子供などがあると。
すべての判断を親がすることで、子供自身が何かを判断するようなことがなく、よって自分で判断をする行為ができなくなるという訳です。

 

依存心というのは、例えば暴力をふるうパートナーがいても、暴力の後、もしくはそれ以外の時に、優しい言葉を投げかけられることで、普段は優しい人、もしくはこの人は自分がいないとダメだ、と依存するのは、DVを受けている被害者の話など、聞いたことがある話だと思います。

 

また、救われたい願望が強い人というのは、他人に自分の悩みを打ち明けることで、その人に依存してしまう。
なぜかというと、自分の悩みを打ち明けるということは、自分の弱い部分を相手に晒すことでもあるからです。

自分の弱みを知っていて、かつ、その相談役になってくれるような人であれば、その人物との間に特別な繋がりがあるように感じて信頼する、というように考える。

第三者としての助言は、相手の警戒心をすり抜ける

直接的な助言や批判に対しては、すぐに受け入れることは、なかなか難しいことだと思います。
しかし、これが第三者、しかも中立的な人からのものであれば、直接言われるよりも受け入れやすくなります。

 

例えば、『あなたの〇〇の部分は改善するべきだ!』と言われても、すぐに、ハイそうです、とはならないですよね。

 

しかし、『あなたは〇〇について、こうしたほうがいいと思うんだけどなぁ』と、相手にそれをするように指示するような言い方ではなく、あくまでも判断するのはアナタですよ、というスタンスだとどう思うでしょうか。

 

『確かにそうすべきなのかな?』と、直接的に言われるよりも、反発することはないように思います。

マインド・コントロールの5つの原理

マインド・コントロールには、5つの原理があり、それは

・閉鎖的な環境
・脳に過剰な情報を与える
・救いの提示
・忠誠を誓わせる
・自己判断を認めず、依存させる

というものであるとのこと。

 

詳細については割愛しますが、これらの原理を使うことによって、マインド・コントロールを意図的にできる事が可能になるようです。

まとめ

今回、人の感情について学ぶために本書『マインド・コントロール』を読みました。
直接的にビジネスに直結するかというと、そうではないと思いますが、それでもこういった方法を悪用する人がいることを学べたのは良かったと思います。

本書で一番印象に残った言葉があります。

『主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことが、マインド・コントロールの基本なのである』

主体的に考える、ということを現代日本で出来るひとは少ないように思います。
やっぱり、誰かからの影響を受けてしまいがちなのかなと。
それは、学校の教師であったり、両親だったり、周囲の人だったり。

 

自分で自分の行動を決めることは、難しいです。
誰かに判断してもらったほうが、楽ではあります。

 

けど、主体性をもって行動することで、自分の選択に責任を持つことができれば、人生で後悔することは少ないかもしれませんね。