中小零細企業で必要となる戦略を学ぶ!【60分間・企業ダントツ化プロジェクト~顧客感情ベースにした戦略構築法】書評

『60分間・企業ダントツ化プロジェクト~顧客感情ベースにした戦略構築法』

 

本書は、神田昌典のビジネスノウハウが、ぎっしりと詰まった一冊になっています。

 

本書の目的は、黙っていても顧客を魅了し、顧客から選ばれる会社にすること。
そのための戦略を構築するためには、何が必要となるのか、という事について書かれています。

 

多くの戦略書の内容は、大企業向けの内容、例えばMBAで学ぶような内容である事が多いのですが、本書は普通の規模の会社を前提に、戦略を構築する方法について述べられています。

 

また、普通の戦略書とは異なる点は他にもあり、著者自身が起業家であること、戦略を構築するのにスピードを重視していること、トップダウンではなく、チーム全体で戦略を考えること、などがあります。

 

また、戦略書というと小難しい言葉を延々と聞かされるイメージがありますが、本書はビジネス用語的な、小難しい表現はあまりなく、かなり読みやすい内容でした。

 

本書の内容は、かなり内容が濃厚で、学ぶべき点はいくつもあったのですが、その中でも僕が特に重要だと思った点について書いていきたいと思います。

戦略には4つの条件がある

戦略のない会社は恐ろしい。なぜなら、忙しくて儲からない会社、これが戦略のない会社の実態だからだと著者は説明している。
その逆で、戦略のある会社は楽して儲かる。

 

著者のいう戦略とは、ライバル会社に気づかれないうちに、業界トップになる方法のこと。

 

本書では、実行性のある戦略をつくるために、戦略とは何なのか、その4つの条件について述べられています。

①戦略とは順番である
②戦略は見えない。戦術は見える
③戦略とは予測力である
④戦略は圧倒的な強さである

①戦略とは順番である

戦略とは、優先順位を決めること。

 

戦略がない企業は、何でもやり、戦略がある企業は、集中して資源を投入する。
戦略がない企業は、優先順位が設定されていなく、すべてが重要。例えば、顧客満足、利益、品質、これらすべてを重要視していて、その実どれも満足に出来ていない。
だから、戦略のない会社の社長は、女子高生が流行に振り回されているのと同様に、流行に振り回されているといえる。

 

経営目標を、あることに集中することで、満足できない顧客は絶対に出てくる。
しかし、すべての顧客を満足させることは不可能で、そもそもすべての顧客を満足させるという発想自体が戦略的な発想ではない。

②戦略は見えない。戦術は見える。

戦術とは、営業トークだったり、広告宣伝だったりする。
そして、戦略とは、これらを実行するための計画のことをいう。

 

会社は戦術を工夫すると、短期的には利益が増えるが、それは一時的なものであり、すぐに業績は悪くなる。
ライバルの表面部分(戦術部分)のみを真似しても、長続きしないのは、その裏にある戦術的発想を読み取れていないから。

 

戦略と戦術、これらを一貫性をもって実行したとき、会社は圧倒的な競争力を実現する。

③戦略とは予測力である

多くの社長が手痛い失敗をするのは、この予測を見誤ったとき。
追い風の時期に、自分の実力と勘違いし、身の丈に合わない投資をする。

 

攻めるときは攻め、引くときは引く。

 

この予測をして、シナリオを描くことによって、継続的な成長を可能にする。

④戦略は圧倒的な強さである

戦略とは、短期間に業界地図を塗り替える。
そのため、段階的発想で、過去の延長に基づいた改善に留まるものとは異なる。

 

業界下位の会社が戦略的発想をすれば、短期間でニッチ市場を築き、ライバルを差し置いていきなりトップにのし上がる。

商品ライフサイクルのグラフを活用してビジネスモデルを構築する

どんな商品にも、導入期、成長期、成熟期があり、それらの事を商品ライフサイクルという。
グラフでその成長過程を現すと、S字状のカーブになる。

 

このグラフを活用し、それぞれの時期の特徴を知ったうえで、最適なビジネスモデルを構築する必要がある。

 

導入期…新しい商品で誰も知らないため、認知されるための広告費用や、開発費など、かかる経費に対して、利益が少なく、赤字となるケースが多い。

成長期(前期)…導入期のいくつもの商品のうち、芽が出てくる商品があり、その商品が成長し始めるのが成長期。黙っていても、どんどん売り上げが上がる。つまり、新規客を増やすのに最も適した時期。

成長期(後期)…売り上げはピークを越え、だんだん反応が悪くなってくる。しかし、シェアが大きい会社は、商品がすでに認知されているので、広告費を投資する必要があまりなく、投資が少ないために収益が残る。

成熟期…業界内部で淘汰が始まり、シェアの小さな会社などは、撤退をしはじめることになる。

無借金経営の仕組みを築くためには、顧客価値>顧客獲得コスト、の不等式を確立させる

何年やっても儲けが出ないビジネスがある。
そのビジネスとは、顧客価値<顧客獲得コスト、の不等式になっているもの。

 

顧客価値とは、一人の顧客が生涯の間で、会社にどれくらい収益をもたらしてくれるか、というもの。
顧客獲得コストは、一人の顧客を集めるために必要な経費の事。

 

つまり、顧客価値が9万円で、顧客獲得コストが1万円だとすると、
顧客価値>顧客獲得コスト
で、8万円の利益となるので、顧客が来れば来るほど儲かる。

 

しかし、顧客価値が9万円で、顧客獲得コストが10万円だと、
顧客価値<顧客獲得コスト
で、1万円の赤字で、どれだけ働いても儲からない。

 

そして、無借金、キャッシュが限られている中では、短期間で収益を上げなければいけない。

 

そのために必要なのは、
・短期間にもたらされる粗利額を引き上げる
・顧客獲得コストを引き下げる
という2点。

顧客に抑えきれない欲求を持たせる

ウォンツはシステマチックに引き上げることが出来る。
人間にとっての根源的な欲求とは、快楽を追求し、そして苦痛を避けること。

 

そこで、行動するメリットが大きく、行動しないデメリットが大きく、かつ緊急性がある場合、欲求レベルが高まる。

 

行動するメリットを感じさせる方法は、割引、増量、景品、景品の量、選民意識、視覚化、裏の欲求(人間の根源的な欲求)
逆にデメリットを感じさせるためには、『今買っておかないと後悔する』という気持ちを起こさせる。

 

そして、行動に対する抵抗を低くするための方法としては、顧客の不安を取り除き、自分の購買を正当化できる理由を与えることが重要となる。

 

不安を取り除くのは、例えば返金保証を付けることなどで、取り除くことが出来る。
自分の購買を正当化できる理由を与えるには、例えば、自分へのご褒美です、とか、費用対効果の強調、などなど、購買に対する罪悪感を払しょくする。

まとめ

今回読んだ『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』は、記事にしたもの以外にも、多くの重要な学びを得られました。

一度読んだだけでは消化できないくらい、濃厚な本なので、復習で何度も読み返すべき本だと感じています。

これ一冊を読んだだけでも、現実的な(大企業以外の会社で活用できる)戦略について、かなり理解が深まると思いました。