直感で判断するのは正しかった!?~【第1感】書評

『第1感/マルコム・グラッドウェル』

『最初の2秒』の『なんとなく』が正しい

こんにちは、tesshiです。

 

突然ですが、直感というものを信じるでしょうか。

 

直感とは、例えば誰かと会ったとき、『なんか嫌な予感がする』とか、『この人とは関わらないほうがいい』といったことを瞬間的に感じることです。

 

これが正しいと思う人は多くないと思いますし、人によってはオカルト的なものであると感じる人もいます。

 

本書では、この『直感』が何故起こるのかを、統計的にであったり、心理学的な側面からであったり、色々な事例をもとに解説しています。

適応性無意識

直感的な、素早く無駄なのない思考で、一気に結論に達する脳の働きのことを『適応性無意識』と呼びます。

これは、コンピューターのように、大量の選択を処理するものでもあります。

 

どういう事かというと、例えば初対面の人で何となく『嫌な人だな…』と思ったとして、実際そうだったとき、理由を論理的に説明することできませんよね。

初対面の人であるのだから、その人の性格が分かるわけでも、人柄を詳しく知っているわけでもない。

 

それなのに、何となく『嫌な人だな…』と思う。

こうした経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

こうした瞬間的に下した判断も、冷静に時間をかけて考えた結論と比べても見劣りするものではない、と本書では伝えています。

輪切り

直感がどのようなプロセスで判断されるのか、その現象について本書では『輪切り』という言葉で表しています。

輪切りとは、様々な状況や行動のパターンを、断片的な情報から読み取って、瞬間的に認識する能力のこと。

 

どういうことか。

 

日常で起きる出来事には、あるパターンが存在しています。

それは、意識的には気が付かないような、瞬間的、または断片的な情報のことです。

 

そして輪切りとは、過去に起こったパターンと同様の情報を認識すると、同じ現象が起きるのではないかと判断する。

 

これが直感が起こる理由の一つだということです。

直感が信用できない場合

もちろん全ての直感があてになるわけでもありません。

直感が信用できないであろう状況が、次のように説明しています。

 

判断を下す対象に対して先入観を持っている場合、情報過多である場合、冷静ではなく、興奮しているような状況の時です。

 

これらの状態で下された直感的な判断は、必ずしも正しい選択を行っているとはいえません。

先入観のある場合

先入観がある場合、直感の判断は鈍ることがあります。

これは、『そうであろう』という思い込みから、物事を断定的に判断してしまうときです。

 

例えば、白衣を着ている清潔感のある男性と、作業服を着ている髭を生やした男性の2人がいたとします。

2人のうち、どちらが頭が良いのかと聞かれたとき、果たしてどちらを選ぶでしょうか。

何となく白衣を着ている人を選んでしまうような気がしますよね。

 

それは、白衣=医者というような先入観からくるイメージがあって、それが理由で実際にはそうではないかもしれないのに、間違いなく白衣の男性が頭が良いと思ってしまう。

 

これが先入観のある場合に、直感の判断が鈍ってしまうということです。

情報過多の場合

余計な情報があることは、その情報が無用であるというだけでなくて、有害にもなりえます。

人は重要な判断を下すとき、ありとあらゆる情報を集めたうえで、決断を下したいと思いますよね。

 

しかし、その中には本来なら無用であるはずの情報も含まれていてると、どの情報が重要であるか分からなくなってしまう。

 

要は、選択肢が多すぎると、無意識の処理能力を超えてマヒしてしまいます。

なのに、人は情報が多くなるほど、判断の正確さに対する自信が実際と比べて不釣り合いなほど高くなってしまう。

 

だからこそ、情報を取捨選択することが必要が重要なんです。

興奮の場合

人がある程度ストレスがかかった状態であると、より適切な行動が取れるよになるのですが、度が過ぎると、逆に適切な判断が出来なくなってしまいます。

 

一定以上の興奮状態になった人は、体が多くの情報源を遮断し始めるため、思考が停止する。

気分が高揚することによって、客観的な物の見方ができなくなり、その結果視野と思考が狭くなる。

 

こうなると正しい判断など下せるわけもない、という事です。

無意識は外部からの刺激によって形成される

本書では、無意識は、日頃の体験、会った人、読書などの外部からの刺激によって形成されるとしています。

 

例えば、目の前にスーツを着た人がいる、と聞いたら男性と女性のどちらを想像するでしょうか。

多くの人は、男性を思い浮かべたと思います。

 

これはスーツを着ているのは男性、というメッセージを普段受け取ることが多いからです。

例えば、広告でスーツを着ている人を見ると、大抵の場合、男性が写っているかと思います。

また、朝の電車など、スーツを着ているのは、圧倒的に男性が多いですよね。

 

つまり、普段目にしているスーツ姿の人=男性というイメージがあるために、スーツを着た人という言葉だけで、何となく男性を想像したという事です。

だから成功のためには読書や音声を聞く必要がある

このように、普段目にしているもの、聞いているもの等によって、無意識が形成されるのであれば、神田昌典が『非常識な成功法則』で、成功者の音声を聞けといった理由が分かったきがします。

 

『非常識な成功法則』内では、音声を聞くことは、単に知識をつけるためだけでなくて、無意識にその情報が伝わり、それが自分の考えとなると書いています。

 

最初これを見たときには、少し信じられない気分だったのですが、本書を読んでその理由が分かった気がします。

普段から聞いている音声や、読書といったものが自分の考え方となって、血肉になる。

 

そうすることで、成功する思考や知識が身に付き、成功するのだという事だと思います。

まとめ

直感的な判断をテーマにしていますが、論理的にその原因や事例が説明されていて、直感とは何か、という事について深く知ることが出来ました。

 

本書は、目に見えないものを説明するためか、事例が非常に長くて、事例の途中に別の事例が入ったりと、少々ややこしく感じる部分もあります。

 

しかし、それを上回る面白さがあり、直感という現象だけでなく、抽象的な現象を言葉で説明することの難しさだったり、様々なことを学べました。

 

物事を、時々直感的に感じるのはなぜか、それが気になっているなら一読してみてはどうでしょうか。