自分の思考を言語化する方法を学ぶ~【言葉にできるは武器になる。】書評

『言葉にできるは武器になる。/梅田悟司』

言葉にできないということは「言葉にできるほどには、考えられていない」ということと同じである。どんなに熟考できていると思っていても、言葉にできなければ相手には何も伝わらないのだ。

こんにちは、哲也です。

 

本書は電通のコピーライターである梅田氏による、言葉と思考を鍛えるための本です。

 

普段の会話の中で、頭では伝えたいことの大筋が分かっているのに言葉にできない、という経験があると思います。

これは何もコミュニケーションスキルが低いわけでも、あなた自身の考えが浅いからでもありません。ただ、言葉にできる力を持っていないだけ。

 

言葉にできる力を鍛えることで、会話力、文章力は飛躍的に上がります。何も難しい表現を使うこと、上手い言い回しをすることだけが言葉の全てではありません。

思考を鍛えずして言葉は鍛えられない

文章や会話を鍛えたいと思ったときに、テクニックを学ぼうとしていないでしょうか。

 

しかし、表面的なテクニックを学ぶだけでは、真に人に伝わる言葉を創造することはできません。テクニックとは、料理でいえば料理人の腕にあたります。どんなに腕のいい料理人でも、素材が良くなければ最高の料理を作ることはできません。

 

テクニックが料理人の腕なら、料理の素材とは何になると思いますか?

 

それは『内なる言葉』です。

 

物事を考えたり、感じたりするとき、頭の中で無意識に発している言葉。これが内なる言葉です。いわばあなた自身の思考と言い換えてもいいかもしれません。

 

人が言葉を発する時、普段自分が考えている言葉以外の言葉は使わない。内なる言葉、思考を鍛えなければ、自分が発する言葉を磨くことも出来ない。

 

だからこそ、内なる言葉に目を向けなければいけません。無意識のうちに、なんとなく感じていることを、言語化する努力をする。それが言葉を鍛えるための第一歩です。

人は無から有を生み出すことができない

著者は内なる言葉を鍛えるためには、自分が考えている事と向き合う必要があるとしています。

確かに、自分自身と向き合うのも必要でしょう。ですが、それだけでは不十分であると、僕は考えています。

 

自分自身の核となるのは、普段見聞きしているものから構成されています。人との会話、新聞、ニュース、テレビなど。これらの情報を受け取ることによって、自分の人格が形成されていきます。

 

で、あるならば、自分と向き合うことだけでなく、受け取る情報の質にもこだわったほうがいいと思いませんか?

 

テレビやスマホゲームなど、これらから受け取る情報が有益であるとは、正直言えないでしょう。どちらかというと、自分の時間を浪費してしまうことになりかねません。

 

それよりは、より自分の人生に有益なもの、読書であったり経営者のスピーチであったり。そうしたものを目に入れ、耳に入れたほうが、自分が発信する情報の質が上がるのではないでしょうか。

 

単純にインプット量が増えることは、情報の引き出しを増やすことにもなります。人は無から有を生み出すことはできませんが、組み合わせることはできますよね。

自分が「自分という壁」の中にいることを意識する

より広く物事を考えるためには、自分以外の内なる言葉を追加する必要があります。他人の内なる言葉を手に入れるためには、他人の視点で考えればいいのです。

 

人は自分の常識が正しいと、無意識に信じています。しかし、自分にとっての常識は、他人にとっての非常識である場合がある。物の捉え方は、その人によって大きく変わるのです。

 

自分が「自分という壁」の中にいることを意識しなければいけません。人は、常に自分という壁の内側でしか物事を考えられていないことを、理解する必要があるのです。

 

「あの人だったらどう思うか?」

「この人だったらどう考えるか?」

視点を変えることを意識すれば自分自身の視野も広くなり、自然と外へ発する言葉も強化されていきます。

 

コミュニケーションは、相手とのキャッチボールです。自分だけの考えしか持たないのであれば、上手い会話や文章を書くことはできませんよね。

まとめ

本書の内容は、文章に関する本の中でも、中・上級者向けの内容であるように感じました。

 

要は、書かれている内容が抽象的であり、それを即実践できるかというと、そうではない部分が多かったからです。

しかし、『内なる言葉』の存在を知れるだけでも、この本の価値はあると思います。

 

言われてみれば、その通りだと。

 

外に向かう言葉、テクニックだけを学んでも、内なる言葉、思考を鍛えなければ意味がない。どちらかだけではなく、両者が必要なのだと気が付かせてくれました。

 

内なる言葉を言語化するのは、一朝一夜で出来ることではないです。

日ごろから頭を遊ばせる感覚で、自分が何を考えているのかを言葉にする作業を習慣づけていきたいと感じました。