今まで読んだ書籍の中で一番分かりやすくAIについて解説された本~【人工知能は人間を超えるか】書評

こんにちは、哲也です。

 

今回読んだ【人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの】は、1~2年前に話題になった書籍ですね。

その頃僕は人工知能に関してあまり興味を持っていなかったので、自分には関係ないと読まずにいた書籍でした。

で、最近人工知能に関する書籍ばかりを読んでいますが、その中でも本書はかなり分かりやすく解説されています。

(読む順番を間違えました 笑)

 

人工知能が人間の知能を超える、超えないという論争において、本書は超える側の立場です。

ただ、人工知能が人間と同じような思考をするわけではない、と著者は説明しています。

 

例えば人間が猫を見て【猫という名前の動物】であると認識するのと、人工知能が【猫という名前の動物】であると認識する方法は異なるということです。

人間が猫を認識するのは、猫という動物の特徴を見て、鳴き声を聞いて、触って、それら全部をひっくるめた経験から、あれは猫であると認識します。

人工知能が猫を認識するのは、当然これとは異なります。

GoogleのAIが猫という概念を獲得したのは、大量の画像を参考にして、猫という動物に共通する特徴を捉え、その結果猫であると認識しました。

 

人間と全く同じような思考をする人工知能を開発することは現実的ではないが、人間と同じ【解答】を導き出すことであれば人工知能によって再現できる。

そういう意味での知能であれば人工知能は人間を超えることができる。

これが著者の人工知能に対する未来への認識です。

人工知能に対して正しい知識を身につける

人工知能に関して今の世間は野放しにその能力を絶賛しているような印象を受ける。

著者がこのように警告するのには、今の人工知能ブームの前に、人工知能に関するブームが2回来ていることに起因しています。

第1回、第2回のブームの時も、人工知能の実現は近いと言われていたが、実現することはなかった。

そのためブームが過ぎ去った後の人工知能研究者たちにとって冬の時代が訪れる結果になったからです。

 

最近シンギュラリティという言葉が一般化してきています。

シンギュラリティとは、人工知能が人間の知能を超える境目になるであろう出来事を指します。

要は人工知能が人間を超えるから、その先に人工知能が人間の敵となるか、共存出来るのか、という問題が扱われるようになりました。

当然メディアは人がより興味を引かれるように、やや煽り気味なニュースを流します。

人工知能が人間を超えて人類の敵となる日は近い、というような感じで。

その結果として、人工知能に対する期待や不安が、現段階の人工知能の評価からかけ離れて過大評価されてしまっている。

これでは第1回、第2回目のブームと同じことが起きてしまうかもしれない。

だからこそ、著者は今の人工知能に対する正しい知識を伝えるべきだと強調します。

 

しかし、今回の人工知能ブームは今までのブームとは異なる点があるのはディープラーニングの登場があることです。

ディープラーニングと呼ばれるAIに学習させる技術が発達することで、これまでの人工知能には到底できなかったことまでもが実現できるようになる。

このあたりの話は僕が以前書いた書評記事に書いてありますので、それを参考にしてみてください。

日本企業がなぜ人工知能開発に関心が薄いのか

欧米のIT企業に比べると日本企業は人工知能に対する関心が薄いように感じます。

これにはざっくり分けて2つの理由があると本書の中で説明されています。

一つはモノづくりの伝統に固執してしまっているから。

もう一つは人工知能を活かせるビジネスモデルを持っている企業が少ないからです。

 

第二次世界大戦後、焼け野原となった日本が欧米諸国に追い付け追い越せの精神で奮起した結果、一時期は世界2位の経済大国までのし上がった。

これは車や家電など、モノ作りによる産物です。

しかし、モノつくりは今の時代の主流でないことは、この記事を見ているあなたにも理解できていることかと思います。

モノつくりのようなニーズは満たされてきており、市場はクラウドへと変化してきています。

だからこそGoogleやFacebookなどの企業が今のビジネスのトップに立っています。

 

GoogleやFacebookなどの企業は人工知能を活かすビジネスモデルが出来上がっています。

例えば人工知能があることで、次のマーケティングの主流となる個々人の好みに合わせたターゲティング広告の効果をより引き上げます。

これができるのはGoogleの検索結果やFacebookの人の繋がりといったデータなどのビックデータを所有しているからです。

しかし日本企業はGoogleやFacebookなどに匹敵するようなビックデータを所有している企業はありません。

だからこそ、人工知能に関心が薄くなってしまっています。

日本企業は人工知能分野とどう接していくべきか?

でも、これからの時代は確実に人工知能が主流となった経済活動に変わっていきます。

今ではパソコンやインターネットなしでの仕事が考えられないように、これからは人工知能なしの仕事が考えられなくなる時代が来ます。

となれば人工知能を開発しなければいけないわけです。

人工知能を開発というと欧米企業などに勝てるイメージがわかないかもしれません。

これは本書を読むまで知らなかったのですが、著者によると日本には人工知能の分野の人材は豊富らしいです。

 

第2回の人工知能ブームの時、政府主導の人工知能開発プロジェクトが立ち上がった。

その時人工知能の研究に携わった人が今の学生に人工知能に関することを教えて、さらに優秀な人材が育ってきている。

これは欧米と比べても遜色ないほどの人材の質と数である、とのこと。

日本にはGoogleやFacebookなどの世界的なプラットフォームを持つ企業がないため、ビックデータを活用したビジネスで有利になることは難しい。

だからこそ、人工知能開発という分野で欧米企業を出し抜かなければ、今後Googleといった企業に日本経済の手綱を握られることになります。

 

何故かというと、今後人工知能が搭載されていくのはスマホなどのデバイスだけでなく、すべての家電、自動車などにも搭載されることになります。

となると、人工知能、パソコンでいえばOSをGoogle等が握っていれば、さらにGoogle等の企業にビックデータが集まる。

そうなれば決して覆すことができない差が生まれてしまうことになります。

逆に人工知能を日本が開発しOSの主導権を握っていれば、Googleといった企業に市場を独占されるような事態を避けることができる。

これが著者が人工知能開発に力を入れるべきだという理由です。

人工知能開発以外の抜け道

著者は人工知能開発こそが日本が今後生き残るために必要であるとしています。

これは今のIT業界を見ていると確かに必要なことであると思います。

ですが、人工知能開発だけが抜け道ではなく、それをどう生かすかがこれから重要になると、僕は考えます。

 

どんなに優れた道具を持っていても、それを使いこなせなければ意味がありません。

パソコンで億を稼ぐ人もいれば、ネットサーフィンをすることしかできない人がいます。

この差は、道具の活用の仕方の差です。

道具を活用するためには、道具の特性、道具で何ができるのか知っている必要があります。

人工知能でもパソコンでもこれは同じで、その活かし方が上手い人はビジネスで成功していくわけです。

 

であれば、今後間違いなく人工知能の分野の力は増大していきますので、人工知能の特性などの知識を身につけなければいけないです。

道具の特性なしに道具を活用することはできないからです。

自分には関係ないといってパソコンの活用法をおろそかにした人たちは、時代遅れになっていきました。

それと同じことが人工知能でも間違いなく起きます。

 

今は人工知能時代の黎明期です。

今から学び始めても全然遅いということはないはずです。

人工知能の作り方とか、技術的なことまで理解できる必要はなくて(当然理解出来た方が良いと思いますが、僕のような文系の数字アレルギーの人には厳しいと思います)

人工知能にはどんな特性があって、それで何ができるのか。

これらは本を読んだりニュースに注目していれば自ずと身につくものです。

 

時代に取り残される人、取り残されない人。

この違いは”学び続けるか?”という違いでしかありません。

もし人工知能について全くしならいのであれば、ぜひ少しづつ知識をつけていきましょう。

そのためにも、本書は人工知能初学者はお勧めです。

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