若手と中年の価値観のギャップが起こる本当の理由~『モチベーション革命』尾原和啓【書評】

こんにちは、哲也です。

 

今回読んだのは尾原和啓『モチベーション革命』です。

今の若手と中堅世代とのモチベーションのギャップは何故生み出されるのか?

『ゆとり世代』『さとり世代』は、何故仕事に打ち込めないのか?

その理由について、『乾いた世代』『乾けない世代』という違いを用いて説明しています。

 

IT分野の企業で長年勤めてきた著者だけに、これからの時代の流れを的確に把握している印象を受けました。

 

どんな人が読むべきか?

●若手世代が理解できない中堅の社会人

●団塊世代が理解できない若手社会人

異なる世代の価値観のギャップに疑問を感じている人なら、本書を読むことでギャップの理由が理解することができます。

 

また、若手社会人で

●今の仕事にやりがいを感じない

●これからの仕事がどのように変化していくのか不安、知りたい

といった人が読んでも面白い内容だと思います。

 

要約

モチベーションの質が変化してきている

今の20代の若手と30代以降の団塊世代では、モチベーションの質に大きな違いがある。

今の若手のことは『乾けない世代』ともいえる。

 

何故かというと、団塊世代では『ないもの』だらけで、常に乾いていた。

美味い食事、酒、魅力的な異性、これらを味わうことを求めてきた。

そして、それを手に入れるために必死で仕事をしてきたのだ。

 

しかし『乾けない世代』である若手は、身体的、心理的、社会的な快楽を得るために必死になることは出来ない。

生まれてから『ないもの』がなかったから、何かを求めて必死になれない。

その代わり、金銭や物理的な報酬ではない、自分の好きを追求する。

 

そう、モチベーションの質は変化してきているのだ。

 

これからの時代に求められるもの

今の時代は、すでに『ないもの』が無い状態。

そんな中、これから発展していくものには必要性ではなく、潜在的な欲求を満たすようなサービスなどが求められるようになる。

 

今の時代は、ライフワークバランスの時代である。

ライフワークバランスの時代とは、仕事と生活の境目が無くなってきていることを指す。

人が欲しているものは何か、それを日常生活の中から読み取る必要がある。

そのためには会社で残業をするよりも、外に出て、人が何に興味を持っているかを知る必要があるのだ。

 

また、仕事はどんどん効率化されていき、さらにAIが人間の仕事を軒並み奪っていくかもしれない。

そんな時代に、これからどんな仕事をしていくべきなのか?

それは、AIにできない『嗜好性』を突き詰める仕事である。

 

AIは効率的な作業を得意とするけど、嗜好性は非効率の塊だ。

他人から見れば非効率的なものかもしれないけど、だけど好きなもの。

これは『好き』を持っている人間にしかできない仕事である。

そして、その『好き』に共感した人が『ありがとう』の意を込めてお金を払う。

 

だからこそ、これからの時代は『好き』を持たない人間にとって価値を生み出しにくくなるのだ。

 

個性を生かしたチーム作り

これからの時代は、個人個人の『好き』が重要になってくる。

では、その『好き』を追求する個人を、いったいどうやって組み合わせれば、組織として大きな結果を生み出すことが出来るのだろうか?

 

理想は特撮ヒーローのような強みの違う個人同士が、得意分野や強みを発揮して、変化に素早く対応できるチームである。

今の時代は変化が激しい時代になっている。

これまでのマネジメントのような画一的なチームでは、激しい変化に対応できないのだ。

 

そして変化のスピードに追い抜かれないためには、チーム同士の信頼が重要になってくる。

チームの信頼を重視した企業には、例えばGoogleなどがある。

Googleは全ての社員に驚くほどの情報を開示している。

これは個々人が激しい変化に対応するにあたって強力な武器となるのだ。

 

それに対し閉鎖的な企業であると、情報に気が付いた人がいても、それに対応するためには長い時間をかけなければいけない。

そして気が付いたときには時代遅れ、なんてことが起きているのだ。

 

特に日本人は信頼して仕事を任せるという行為が苦手である。

なぜならルールや罰則、人脈を固定化させることで『安心社会』を築いてきたから。

『僕らはみんな一緒だよね?だからお互いの立場を脅かさないよね』という認識が前提の社会で生きてきた。

 

だからこそ、みんなと違う人は淘汰されてきたし、今のその流れは続いている。

しかし、これは今の時代に即したものではない。

これからの時代に必要とされるのは、信頼して仕事を任せるというチームなのだから。

 

新しい働き方へのヒント

これからの時代は『ないものがない』世代が筆頭となっていく。

この『ないものがない』世代の得意とするものが『新しい意味』を提供することである。

『新しい意味』を提供することで『今あるものが全く違う魅力あるものになる』という新しいビジネスの形になるのだ。

 

こうした『新しい意味』は、体の内側から起こってくるものである。

あなたの嗜好性(好き・歪み)は、他人に新しい意味を提供するきっかけになる。

 

このような『好き』や『歪み』を育てるにはどうすればいいのだろうか?

それはアウトプットをせずに、とにかく没頭することが重要になる。

 

新しい意味とは、人とは違うズレから生じる『好き』や『歪み』がもたらす。

そのずれから生じる『好き』や『歪み』を育んでいる時にアウトプットをするとどうなるか?

他人の価値観や基準を取り込み、『歪み』が無くなってしまうかもしれない。

 

そして『好き』を生きがいにするには、どうしていけばいいのか?

生きがいとは、あなたが『好きなことで』『世界が必要としていて』『稼げるもので』『得意なこと』の4つの要素が交じりあうところに生み出される。

つまり、周りからありがたがられて、かつ自分がやっていて楽しいことを突き詰めるのだ。

これは何も全世界に向けたものだけでなくて、自分のコミュニティだけでも十分。

 

これが本当の意味での『好きなことだけで生きていく』状態になる。

 

このようなライフワークを増やしていくには、『ライスワーク』と『ライフワーク』を明確に使い分ける必要がある。

ライスワークを終えて自宅に帰ったら、ライフワークに時間を注ぐ。

そうして好きなことや得意なことに時間を投資して、磨いていく。

 

すると『好き』が『得意』になり、『お金』になり、『世界が求める』ことになるのだ。

その結果『生きがいで』稼げるようになっていくのである。

 

読後感想

本書を読んでいて、僕自身、新しい発見はあまりありませんでした。

著者自身も巻末コメントで書いていましたが、著者自身のオリジナルな部分はないとのこと。

 

例えば、潜在的な欲求を満たすという部分などは、昔、神田昌典がニーズとウォンツの違いで説明していた。

また、ネットが生まれてことによって『ニッチ市場』が重要度を増していることも、様々な書籍で説明されている。

だから、ほとんどの部分は、今まで読んできた書籍の復習的な感じで読んでいましたね。

 

ただ、本書の後半で出てきた『新しい意味』という内容は、他の書籍で見たことが無かった言葉で、面白いと感じました。

 

『新しい意味』を提供することで全く異なる価値が生まれる。

これは、特にこれからの時代に必要な考え方だと思います。

ネットが普及する前までは、ある程度の市場規模がないとビジネスになりませんでした。

しかし、ネットが普及したことで、今まで芽を出さなかったニッチ市場が活性化してきていますよね。

 

 

著者は『新しい意味』を提供するビジネスの例として、大ヒットとなった『君の名は』と『シン・ゴジラ』の2つを上げている。

この2つの作品がヒットした理由として、物語の裏側にある複雑な伏線にあるとしています。

この伏線があるからこそ、次々に新しい解釈が生まれる。

新しい解釈が生まれることによって、物語自体の評価が変わっていく。

 

この例えを見たときに、なるほど!と思いました。

映画などに伏線が張り巡らされているのは当たり前ではあります。

『君の名は』は、いい意味で期待を裏切った作品だからこそ、ヒットしたともいわれていますが。

 

まあ、この映画がヒットした理由はさておき、このような『新しい意味』という発想は面白いな、と。

確かに、こういった人と違った視点をもつだけでも価値が生まれると思います。

Amazonの映画のレビューとか、見てるだけでも面白いですし。

 

個人的に『新しい意味』という部分を学べただけでも良かったと感じているので、興味があれば読んでみてくださいね。

モチベーション革命~稼ぐために働きたくない世代の解体新書~

PS.

最近、こういった『好きなことで生きていく』という内容の本が多くなってきていますよね。

それだけ働いている人の意識が変わってきているんでしょうかね?

 

以前までは『子供の夢じゃないんだから』と一蹴されていたことが、だんだん当たり前になりつつある。

考え方も、行動も、変化に対応できるように柔軟にしておかなくてはいけないな、と感じています。

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