『新・生産性立国論』書評~人口大激減時代に日本はどう立ち向かえばいいのか?




どうも、こんにちは!

哲也です。

 

日本の人口は激減していき、超高齢化社会が訪れるー

多くの書籍やメディアで、日本の人口減少に対して言及されているので、危機感を抱いている人も多いのではないでしょうか。

 

その一方で、

人口が減っても、AIやロボティクスなどのテクノロジーを活用して、より経済は発展していく、

とポジティブな未来を予想する人も多いです。

 

しかし、AIやロボティクスなどで効率が上がったとしても、日本の経済は良くならない。

そういうのは、書籍『新・観光立国論』を書いた著者、デービッド・アトキンソン氏です。

 

同氏は、日本人が勘違いしがちな『生産性』と『効率性』の違いを指摘し、

『効率よく』モノづくりをすることは『生産性』を上げることには結びつかない、

と主張します。

 

これってちょっと、意外ですよね。

 

日本人の生産性が低いと言われているのは、

例えば無駄な残業だったり、無駄な書類だったりと、

仕事の効率が悪いからである、と僕は思っていました。

 

しかし、いくら効率化をしたとしても、

付加価値を創造することが出来なければ、

結局生産性を上げることは出来ない。

 

この意外な事実を教えてくれたのが、デービッド氏の新しい著書『新・生産性立国論』です。

新・生産性立国論

デービッド・アトキンソン

著者情報

著者のデービッド・アトキンソン氏は、元ゴールドマンサックスの金融調査室長で、現在は小西美術工藝社社長、三田証券社外取締役として活躍しています。

他に日本の観光戦略を支える日本政府観光局特別顧問を務めています。

同氏の著書『新・観光立国論』はベストセラーとなったので、知っている人も多いかもしれませんね。

読後感想

効率よく業務を行っただけでは生産性は増えない。

なぜなら、生産性をGDPだとしたときに、付加価値を創造しなければGDPは増えていかないからです。

 

例えば、効率よく業務をこなして、残業代などの人件費をカットできた。

もしくは従業員の給料をカットし、利益を維持できるようにした。

そうすると、全体の付加価値の総量は変わらず、それぞれの数値が、ただ入れ替わっただけということになってしまいます。

 

だからこそ、効率を良くするのではなく、付加価値を創造しなければいけないー

 

書籍内で上記のような主張を目にして、『なるほど!』と納得しました。

結局、効率を良くするということは、サラリーマンでいう節約をしているだけの状態なのだと理解できたんですよね。

 

節約をしただけでは給料は増えませんよね。

だからこそ、出世を目指したり、副業でお金を稼ぐ人がいるわけですから。

 

それで、これは企業も同じであると。

人件費を削ったり、効率を良くしたとしても、企業として付加価値を増やしていけなければ、結局日本の生産性は上がらない。

だからこそ、付加価値を生み出すことに力を入れるべきなのだと。

 

これは、AIやロボティクスなどのテクノロジーによって日本の生産性を上げる、という主張が間違っていることを意味します。

なぜかというと、AIやロボティクスは、効率は上げるかもしれないけど、付加価値を(直接)生み出すわけではないから。

 

ただ、AIやロボティクスを活用して、

余った人材で新たな付加価値を創造するのなら話は別ですが、

多くの企業は、人件費カットを行うでしょう。

 

それではダメだということですね。

 

そもそも、なぜ生産性を上げる必要があるのか、という話になるのですが、

それは日本の人口が、今後急スピードで減少していくからです。

 

日本は小さな島国だと思う人がいるかもしれませんが、人口でいえば、世界第11位の巨大国家です。

それだけ経済規模が大きいというわけです。

 

日本が高度経済成長を迎えたのは、人口が爆発的に増えたことで、経済規模が大きくなったからです。

よく、日本の技術が、サービスが、高品質が、日本の経済発展を支えた、と言われます。

実際には、人口が増えたことによる恩恵を受けただけだったんです。

 

人口が多いから、日本の生産性が低くても、数でカバーしてこれました。

しかし、労働人口が減り、高齢者が増えていくと、どうなるか。

より少ない人数で、長時間働くか、大量の移民を受け入れるしかなくなる。

 

日本が生き残る道は、経済規模を維持するために、一人一人の生産性を高めていくしかない。

そうしなければ、日本は衰退していくだけだと、デービッド氏は言います。

 

人口激減時代に向けて、僕らがやっていくべきことはひとつだけ。

生産性を高めて、付加価値を創造していくしかないというわけですね。

 

ところで、書籍の中では、デービッド氏は、日本人の労働者は優秀で、経営者が無能なだけだと言っていました。

しかし、本当に経営者だけの責任かな?と疑問に思ったんですよね。

 

日本人はサラリーマンになるのが当たり前だと教育されているので、

どうしても、給料をもらうという思考になりがちで、

お金を自分で稼ぐ、という気持ちが薄い気がします。

 

お金を自分で稼ぐ、というのは、何も独立することじゃなくて、会社での業務でも言えることです。

例えば、営業マンでいえば、ノルマを達成できればそれでいい、だとか。

もちろん、自分の働きが給料や評価に直結しない、というのも一つの理由なんでしょうが、、、

 

なぜか、お金を稼ぐ、ということが、なんだか悪いことだというような思考を持っている人が多いように感じます。

このあたりは、学校教育から変わっていかないと難しいかもしれませんね。

 

生産性を上げなければいけない理由、日本人がこれからどうしていくべきなのか。

そういった事への視座が広がりましたので、かなり勉強になりました。

興味があれば読んでみてはいかがでしょうか。

新・生産性立国論

デービッド・アトキンソン




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です